季節
八月二十八日からは七十二侯の、天地始めて粛(さむ)し。ようやく暑さが収まりはじめるころです。 九月一日は二百十日。立春から数えて二百十日目です。台風がやってくると言われている日です。 野を分け、草木を吹き分ける荒々しい風が「野分(のわき)」…
八月二十三日からは二十四節季の処暑、暑さが少しやわらぐ頃です。朝の風や夜の虫の声に、秋の気配が漂い出します。 七十二侯は、綿柎開く(わたのはなしべひらく)。綿の実を包む萼が開くころです。 出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ…
八月十八日からは七十二侯の、蒙霧升降す(のうむしょうこうす)。深い霧がたちこめるころです。春は「霞たち」、秋は「霧けぶる」空模様。 牛飼座のアルクトゥルス、火星、蠍座のアンタレス。赤く輝く旱星(ひでりぼし)で豊作を占いました。これらのうちの…
八月十三日からは七十二侯の、寒蝉(ひぐらし)鳴く。カナカナ…………とヒグラシが鳴くころです。夕暮れに響く虫の声は、はかない夏の夢のよう。 八月十五日は月遅れのお盆。旧暦を新暦に換算するのではなく、単純に一ヶ月ずらすのが「月遅れ」。こんな言葉があ…
八月七日からは二十四節季の立秋です。はじめて秋の気配がほの見えるころです。まだまだ暑い盛りですが、これ以降は夏の名残の残暑といいます。暑中見舞いから残暑見舞いに変わります。 七十二侯の立秋初侯は、涼風至る。涼しい風がはじめてたつころです。 …
八月二日からは七十二侯の大暑末候、大雨時行る(たいうときどきふる)。夏の雨が激しく降るころです。むくむくと青空に広がる入道雲が夕立に。 たくさんの蝉が一斉に鳴き立て、まるで時雨が降りつけてきたように大音響で鳴り響くようすを蝉時雨(せみしぐれ…
七月二十八日からは、七十二侯の大暑次候、土潤いて溽(む)し暑し。むわっと熱気がまとわりつく蒸し暑いころです。打ち水や夕涼みなど、暑さをしのぐひとときをもちたいものです。 七月一日〜七日は弘前でねぷた祭り、二日〜七日は青森でねぶた祭りが開かれ…
七月二十三日からは二十四節季の大暑です。もっとも暑い真夏のころです。 七十二侯の大暑初侯は、桐始めて花を結ぶ。桐の花が梢高く、花を咲かせるころです。 厚い夏の昼ひなか、職人や大工がしばし休憩して短い睡眠をとることを三尺寝(さんじゃくね)とい…
七月十八日からは七十二侯の小暑末侯、鷹乃学を習う(たかわざをならう)。鷹のひなが、飛びかたをおぼえるころです。巣立ちをし、獲物を捕らえ、一人前になっていきます。 立秋前の十八日間を夏の土用といいます。2018年の立秋は八月七日なので、土用の入り…
七月十二日からは七十二侯小暑次侯の、蓮始めて咲く。蓮の花が咲きはじめるころです。夜明けとともに、水面に花を咲かせます。 暦日の七月十五日はお盆です。先祖の霊が訪れる七月十三日には、迎え火をともして迎えます。 暦日の七月十六日は、藪入りといっ…
七月七日からは二十四節季の小暑、梅雨が明けて本格的に夏になるころです。 この小暑から立秋になるまでが暑中見舞いの次期です。暑中見舞いには日付は書かずに「○○年 盛夏」と書き添えます。 七十二侯小暑初侯は、温風至る。名圧の風が、熱気を運んでくるこ…
七月二日からは、七十二侯の半夏生ず(はんげしょうず)。半夏(からすびしゃく)が生えはじめるころです。田植えを終わらせる、農事の節目とされています。 からすびしゃくはウラシマソウに似た釣り竿を持つサトイモ科の多年草で、ハンゲショウとは別の植物…
六月二十七日からは七十二侯の、菖蒲(あやめ)華さく。あやめが花を咲かせるころです。この花が咲いたら、梅雨到来の目安でした。 初夏、あおあおをした木々の葉に振りたまった雨が、ぱたぱたと落ちてくることを「青時雨」といいます。また、新緑の上をびゅ…
六月二十一日は夏至、一年でもっとも日が長く、夜が短い日です。これから夏の盛りへと、暑さが日に日に増していきます。 七十二侯の夏至初侯は、乃東枯(なつくさかれる)。うつぼぐさの花穂(かすい)が黒ずんで、枯れたように見えるころです。うつぼぐさの…
六月十六日からは七十二侯の、梅子(うめのみ)黄なり。梅のみが熟して色づくころです。 そろそろ梅雨入りでしょうか。 暦日の六月第三日曜は、父の日です。 出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)
六月十一日からは七十二侯の、腐草(ふそう)蛍と為る。蛍が明かりをともし、飛び交うころです。昔の人は、腐った草が蛍に生まれ変わると信じていたそうです。 六月の田植えの時期には、全国各地で、田の神さまに豊作を祈る祭りが行われます。 出典 白井明大…
六月六日からは二十四節季の芒種、稲や麦など穂の出る植物の種を蒔くころです。稲の穂先にある針のような突起を芒(のぎ)といいます。 七十二侯の芒種初侯は、蟷螂(かまきり)生ず。カマキリが生まれるころです。そろそろ傘や長靴が活躍する時期でもありま…
五月三十一日からは七十二侯の、麦秋(ばくしゅう)至る。麦が熟して、収穫するころです。 新暦では六月と十月に衣替えが行われます。平安時代には四月と十月に更衣という名で行われていました。昔のほうが夏が長かったようです。 刈り取りを待つ麦畑は一面…
五月二十六日からは七十二節季の、紅花(べにばな)栄う。紅花が一面に咲くころです。 昔は露のことを五月雨(さみだれ)と呼んでいました。旧暦の五月に降る雨だったからです。なのでその時期のどんよりとした雨雲を、五月雲と呼び、雨続きの日がふっと切れ…
五月二十一日から二十四節季の小満(しょうまん)です。いのちがしだいに満ち満ちてくるころです。 七十二侯の小満初侯は、蚕起きて桑を食う。蚕が、桑の葉をいっぱい食べて育つころです。 この時期にあたる旧暦四月には、木の葉採(と)り月という別名があ…
五月十六日からは七十二侯の、竹笋(たけのこ)生ず。たけのこがひょっこり出てくるころです。 ということなのですが、ことしは四月中旬くらいが旬だったような気がします。 また、五月十五日は京都の葵祭の日でもあります。 出典 白井明大=文・有賀一広=絵…
五月十一日からは七十二侯の、蚯蚓(みみず)出ずる。みみずが土の中から出てくるころです。 五月第二日曜は母の日です。外来の催しですから新暦で良いでしょう。今年の第二日曜は十三日です。 出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東…
五月五日は二十四節季の立夏です。しだいに夏めいてくるころです。 七十二侯の立夏初侯は、蛙始めて鳴く。野原や田んぼで蛙が鳴きはじめるころです。 暦日の五月五日は端午の節句です。因みに今年は、旧暦の五月五日は新暦では六月十八日になります。 出典 …
四月三十日からは七十二侯の、牡丹華さく。牡丹の花が咲き出すころです。 五月二日は、立春から数えて八十八日目の夜、八十八夜です。 五月の初めに不意に冷え込む夜があって、霜が降ったら農作物が大変です。この時期の霜は、八十八夜の忘れ霜と言われてい…
四月二十五日からは七十二侯の、霜止んで苗生ず。霜のおおいがとれ、すこやかに苗が育つころです。 五日に一度風が吹き、十日に一度雨が降るような順調な天気を「五風十雨」と言います。ここから転じて、世の中が平穏無事であると意味も持ちます。 出典 白井…
四月二十日からは二十四節季の穀雨。 たくさんの穀物をうるおす春の雨が降るころです。この季節の終わりには、夏のはじまりを告げる八十八夜がおとずれます。 この時期にはさまざまな雨の名あります。作物にとっての恵みの雨を穀雨、穀物を育む雨を瑞雨、草…
四月十五日からは七十二侯の、虹始めて見る。春の雨上がり、空にはじめて虹がかかるころです。 中国では、清明より手間に摘んだ茶葉を「明前茶(めいぜんちゃ)」とよび、清明のころに摘んだ茶を「雨前茶(うぜんちゃ)」と呼んでいます。なお、春分の前に摘…
四月十日からは七十二侯の、鴻雁北へかえる(がんきたへかえる)。日が暖かくない、雁が北へ帰っていくころです。 秋に雁が海を渡ってくるとき、海辺に浮かべて休むために小枝をくわえてきます。次の春には同じ枝をくわえて、北へ帰って行きますが、浜にはま…
四月五日からは二十四節季の清明です。すべてのものが清らかで生き生きとするころです。若葉が萌え、花が咲き、鳥が歌い舞う、生命が輝く季節の到来です。 七十二侯の清明初侯は、玄鳥至る(つばめきたる)。海を渡って、つばめが南からやってくるころです。…
三月三十一日からは七十二侯の、雷乃声を発す(かみなりこえをはっす)。春の訪れを告げる雷が鳴り始めるころです。 春になる雷を「春雷」と呼びます。ひと鳴り、ふた鳴りほどで止む短い雷の音。とくに始めて鳴る春雷を「初雷(はつらい)」と、あるいは冬ご…