小満末候

 五月三十一日からは七十二侯の、麦秋(ばくしゅう)至る。麦が熟して、収穫するころです。

 新暦では六月と十月に衣替えが行われます。平安時代には四月と十月に更衣という名で行われていました。昔のほうが夏が長かったようです。

 刈り取りを待つ麦畑は一面の黄金色。そんな麦秋の時期に麦の穂を揺らし、吹き渡って行く風を麦嵐(むぎあらし)、あるいは麦の秋風といっています。

  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)