大寒初侯 1/20〜

 一月二十日からは一年最後の二十四節季、大寒です。一年でもっとも寒さが厳しいころです。

 が、大寒とはいえ寒い日ばかりではなく、三寒四温といって寒暖を繰り返しながらだんだん春になっていきます。

 七十二侯の大寒初侯は、款冬華さく(ふきのとうはなさく)。蕗の花が咲きはじめるころです。凍てつく地の下で春の仕度が着々と進みます。

 一月二十日は二十日正月といって、新年の家事などで働き通しだった女性が体を休めに里帰りしたり小正月からの里帰りを済ませて帰宅する慣習がありました。

 お地蔵さまの縁日は毎月二十四日。その年の初めの縁日にあたる一月二十四日は初地蔵と呼ばれます。


 出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)

小寒末候 1/15〜

 一月十五日からは七十二侯の、雉始めてなく。キジのオスがメスに恋して鳴きはじめるころです。

 一月一日を大正月、十五日を小正月といいます。本来ならばこの日までが松の内です。小正月には小豆を食べるならわしがあります。また、正月中も忙しく働いた女性たちがやっとひと息つけるころだから、女正月ともよばれます。

小寒次候 1/10〜

 一月十日からは七十二侯の、水泉(すいせん)動く。地中では凍っていた泉が動きはじめるころです。

 一月九日の宵戎、十日の本戎、十一日の残り福と三日間にわたって十日戎のお祭りで商売繁盛を願います。

 寒に入って九日目に雨が降ると、寒九(かんく)の雨といって豊作の吉兆とされています。

 一月十一日は鏡開き。年神さまに供えたお下がりとして、木槌などで鏡餅を割っていただきます。

  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)

小寒初侯 1/6〜

 一月六日からは二十四節季の小寒、寒さが極まるやや手前のころです。寒の入りを迎え、立春になる寒の明けまでの約一ヶ月が寒の内です。

 七十二侯の小寒初侯は、芹乃栄う(せりさかう)。芹がすくすくと群れ生えてくるころです。

 春の七草は、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。五節句のひとつ、一月七日の人日(じんじつ)に、今年の健康を願って七草粥をいただきます。七草は前日に包丁で叩いて水に浸しておき、当日粥にいれます。

 新年明けて最初に爪を切る日が、一月七日とされています。七草爪といって、七草を浸した水に爪をつけ柔らかくしてから切ると、一年間かぜをひかないといわれています。

 松飾りをつけておく期間のことを松の内といいます。関東では一月七日まで、関西では十五日までのところが多いようです。この日を過ぎると松飾りや門松ははずされます。役目を終えた松飾りは、どんど焼きで燃やして、年神さまを天へ送ります。このときに書き初めを燃やすところもあるようです。


 出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)

冬至末候 1/1〜

 一月一日からは七十二侯の冬至末候、雪下麦を出だす(せつかむぎをいだす)。降り積もる雪の下で麦が目を出すころです。地中や冬木立の枝先で植物は芽吹く力を育みます。

 言うまでもありませんが、暦日の一月一日は正月です。

 初日の出の直前の茜空を「初茜(はつあかね)」といいます。夜の暗がりから白み、明るみ、やがて茜色に染まる東雲(しののめ)の空は、日の出よりさきに元旦の訪れを告げます。


 出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)

冬至次候 12/27〜

 十二月二十七日からは七十二侯の冬至次候、麋角解つる(しかつのおつる)。大鹿の角が抜け落ちて、生え変わるころです。

 十二月三十日は晦日(つごもり)、三十一日は大晦日(おおつごもり)といいます。晦日とは月が隠れる、月籠もり(つきごもり)のことです。大掃除は二十八日までにすませることとされているそうです。


 出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)