小満次候

 五月二十六日からは七十二節季の、紅花(べにばな)栄う。紅花が一面に咲くころです。

 昔は露のことを五月雨(さみだれ)と呼んでいました。旧暦の五月に降る雨だったからです。なのでその時期のどんよりとした雨雲を、五月雲と呼び、雨続きの日がふっと切れて現れる、抜けるような青空を五月晴れといいました。いまは、新暦五月のさわやかな晴れを、五月晴れと呼んでいます。旧暦、新暦によって五月晴れのニュアンスが少し違うようです。

  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)