立秋末候 8/18〜

 八月十八日からは七十二侯の、蒙霧升降す(のうむしょうこうす)。深い霧がたちこめるころです。春は「霞たち」、秋は「霧けぶる」空模様。

 牛飼座アルクトゥルス、火星、蠍座のアンタレス。赤く輝く旱星(ひでりぼし)で豊作を占いました。これらのうちのアンタレスが赤く輝くほど豊作になると言われていたそうです。

 濃い霧の林を歩いていると、木の葉から雨が落ちてくることがあります。これが樹雨(きさめ)です。葉や枝についた霧の粒が、しだいに大粒の滴(しずく)になって地上に落ちてくるものです。


  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)