夏至末候

 七月二日からは、七十二侯の半夏生ず(はんげしょうず)。半夏(からすびしゃく)が生えはじめるころです。田植えを終わらせる、農事の節目とされています。

 からすびしゃくはウラシマソウに似た釣り竿を持つサトイモ科の多年草で、ハンゲショウとは別の植物だそうです。

 夏至から数えて十一日目が半夏生(はんげしょう)。田植えを済ませた農家が休息を取る日です。この半夏生の日に降る雨を「半夏雨(はんげあめ)」といいます。田植えを済ませた田んぼから天へ、田の神さまが昇っていくのが半夏雨になったともいわれています。

  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)