夏至次候

 六月二十七日からは七十二侯の、菖蒲(あやめ)華さく。あやめが花を咲かせるころです。この花が咲いたら、梅雨到来の目安でした。

 初夏、あおあおをした木々の葉に振りたまった雨が、ぱたぱたと落ちてくることを「青時雨」といいます。また、新緑の上をびゅうっと吹くいきおいのある風を「青嵐(あおあらし)」といいます。

 六月と十二月には罪や穢れを落とす祓(はらえ)の行事があり、六月の大祓を「夏越しの祓」、十二月を「年越しの祓」といいます。夏越しのは祓では茅で作った輪が立てられ茅の輪(ちのわ)くぐりを行います。涼しげな和菓子「水無月」はこの日のためのものです。

  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)