穀雨初侯

 四月二十日からは二十四節季の穀雨。 たくさんの穀物をうるおす春の雨が降るころです。この季節の終わりには、夏のはじまりを告げる八十八夜がおとずれます。

 この時期にはさまざまな雨の名あります。作物にとっての恵みの雨を穀雨穀物を育む雨を瑞雨、草木をうるおす雨を甘雨、春の長雨を春霖(りん)、植物に早く咲くよううながす雨を催花雨(さいかう)、菜の花が咲くころに降る雨を菜種梅雨(なあねづゆ)、などなど。

 七十二侯の穀雨初侯は、葭(あし)始めて生ず。水辺に葦が芽を吹きはじめるころです。葦の若芽を葦芽(あしかび)と呼んでいます。


  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)