腹づつみ

 ここ数年で目立って腹が出て来た。ご飯の食べ過ぎ、運動不足の結果としてはきわめて当然であろう。

 それはなにもわたしに限ったころではなく、多くの老人、とりわけ自己管理能力に欠ける老人の多くに見られる現象である。老人の証でもある。などと居直ってもしょうがないが、

 わがことながら面白いのは、腹が出ることによって、新しい癖が生まれてきたこと。それは腹づつみをうつこと。いや、腹づつみとは違うかな。証誠寺の狸囃子のような打ちかたにはあらず。

 もっと、似ているのが制限時間いっぱいの白鳳。大きな音を叩いてまわしをポンと叩きます。あれです。あれと同じように、だけどまわしではなく、みずからの腹を叩きます。

 なぜそんなことをするようになったのか、奇妙に癖に気がついたのになぜやめようとしないのか、わかりません。特に気持ちがよかったり、気持ちが引き締まるわけではないのですが。なぜでしょう?