大雪

 早いものでもう師走です。

 十二月七日からは、二十四節季の大雪(だいせつ)です。本格的に雪が降り出すころです。

 七十二侯の大雪初侯は、閉塞く(そらさむく)冬と成る。天地の陽気がふさがり、真冬が訪れるころです。重たい灰色の雲に覆われた空は雪曇り(ゆきぐもり)と呼ばれます。

 七十二侯の大雪次候は、熊穴に蟄(こも)る。熊が穴に入って冬ごもりするころです。

 十二月十三日は、新年を迎える仕度をする正月の「事始めの日」です。煤払いからはじまり、大掃除、松飾り用の松の枝を山へ取りに行く松迎えなどがあります。

 七十二侯の大雪末候は、さけ群がる。鮭が群れをなして河を遡るころです。

 一年の豊作を司る正月の神さま(年神さま)は念仏をいやがるからと、暮れの十二月十六日までで念仏おさめにするというのが、念仏の口止めです。翌日から年明け一月十六日の念仏の口開けまで念仏を唱えない、という風習があるそうです。


  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)