小雪

 十一月二十二日からは二十四節季の小雪(しょうせつ)です。寒さが進み、そろそろ雪が降りはじめるころです。とはいえ、雪はまださほどではなく、寒さもそこまでではありません。

 旧暦十月(ことしは新暦の十一月十六日から十二月十七日まで)のことを小春といって、それまでの寒さが打って変わって、暖かな陽射しになることがあります。そんな日を小春日和といいます。小春日和が続くと、春の花が勘違いして咲き出すこともあります。そんな小春日和の早咲きを、帰り花弥忘れ花、狂い咲きなどと称しています。

 七十二侯の小雪初侯は、虹蔵(かく)れて見えず。虹を見かけることがすくなくなります。十一月二十三日がもともとは新嘗祭、秋の収穫に感謝を捧げる日でした。

 七十二侯の小雪次候は、朔風葉を払う。冷たい北風が、木々の葉を払い落とすころです。朔風の朔とは北という意味で、木枯らしのことです。

 七十二侯の小雪末候は、橘始めて黄なり。橘の実がだんだん黄色くなってくるころです。

 はやくも季節に「雪」の文字が現れてきました。


  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)