白露
九月七日からは二十四節季の白露。大気が冷えてきて霧を結ぶころです。ようやく残暑が引いていき、本格的に秋が訪れてきます。
七十二侯の白露初侯は、草露白し。草に降りた露が白く光って見えるころです。朝夕の涼しさが、くっきりと際立ってきます。
暦日の九月九日は重陽(ちょうよう)の節句です。菊の節句で長寿を祈る日です。因みに旧暦九月九日は今年新暦では十月二十八日にあたります。随分と違いますね。
ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ。秋の七草の時期でもあります。
富士山の閉山日にあたる旧暦七月二十六日(ことしは新暦九月十六日)ごろに降る雨は、富士山を洗い清める御山洗い(おやまあらい)の雨と言われています。
七十二侯の白露次候は、鶺鴒(せきれい)鳴く。セキレイが鳴きはじめます。といってもセキレイの鳴き声がぴんときませんが。
七十二侯の白露末候は、玄鳥(つばめ)去る。つばめが南に帰るころです。
暦日九月二十日は、空の日。1911年、国産の飛行船が東京上空一周飛行に成功した日です。ライト兄弟の初飛行から七年後のことです。
出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)