大暑

 七月二十三日からは二十四節季の大暑。もっとも暑い真夏のころです。

 七十二侯の大暑初侯は、桐始めて花を結ぶ。桐の花が梢高く、花を咲かせるころです。

 暑い夏の昼ひなか、職人や大工がしばし休憩して短い睡眠を取ることを三尺寝といいます。仕事場の三尺(90cm)ほどのスペースで、ごろりと横になったのが、その名の由来とか。

 七十二侯の大暑次侯は、土潤いて溽(む)し暑し。むわっと熱気がまちわりつく蒸し暑いころです。

 七十二侯の大暑末候は、大雨時行る(たいうときどきふる)。これはちょっと読めませんね。夏の雨が時に激しく降るころです。蝉時雨が聞こえてきます。

 朔日とは一日のことですが、旧暦の八月一日を八朔といって、そのころとれはじめる早稲の穂をお世話になっている人へ贈る習慣がありました。田の実の節句ともいわれていました。意味が転じて「頼み」となり、日頃の恩にお礼をする日になったそうです。なお、ことしは閏五月が挟まったため、旧暦の八月一日は九月二十日になります。随分と先ですね。

 この暑さをなんとかしのげば、つぎはもう秋です。
 


  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)