立夏

 五月五日からは二十四節季の立夏。いよいよ夏のはじまり、しだいに夏めいてきます。あおあおとした緑、さわやかな風、気持ちいい五月晴れの季節です。

 また暦日五月五日は端午の節句です。もっとも旧暦五月五日は新暦の五月三十日にあたります。菖蒲の盛りはそのころでしょうね。

 七十二侯の立夏初侯は、蛙始めて鳴く。野原や田んぼで蛙が鳴きはじめるころです。

 七十二侯の立夏次候は、蚯蚓出ずる(みみずいずる)。みみずが土の中から出てくるころです。アメリカから渡ってきた記念日ですが、五月の第二日曜、今年は十四日は母の日です。

 七十二侯の立夏末候は、竹笋(たけのこ)生ず。たけのこがひょっこり出てくるころです。

 田植え間近のころ、まだ土が出ている田んぼに、水を流し込んで水田にする作業を「田水張る(たみずはる)」と言います。田起こしして、水を張り、水の底の土をかき混ぜる(代掻き)と、田植えの用意の調った代田(しろた)になります。

 京都、上賀茂神社下鴨神社葵祭は五月十五日に行われます。



  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)