春分

 三月二十日からは二十四節季の春分です。太陽が真東から昇り、真西に沈む日です。昼と夜の長さが同じ長さになります。

 春分の日を中日に、前後三日を含めた七日間が、春のお彼岸です。先祖の霊を供養する仏事が行われる日です。また、農事始の神祭の日でもあります。仏さまも神さまも大忙しです。

 七十二侯の春分初侯は、雀始めて巣くう。雀が枯れ草や毛を集め、巣を作りはじめるころです。

 七十二侯の春分次候は、桜始めて開く。その春に初めて桜の花が咲くころです。なのですが、近ごろは早咲きの桜も増えているようで、すでに花開いている樹も多々あります。

 七十二侯の春分末候は、雷乃声を発す。春の訪れを告げる雷が鳴りはじめるころです。春雷といいます。


  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)