老人は早起き、なのだろうか?

 年を取ると朝早くに目が覚める。と、一般的にいわれている。身近な老人たちからもそういう声を聞く。

 が、わたしは全然そうはならない。逆に、かつて勤めに出ていたころよりも一二時間遅く起きている。しかも、これだって無理して起きている。本当はもっと寝ていたい。油断すると二度寝三度寝をしてしまう。早起きにはならないし、早起きができない。

 どうしてなんだろう? 寝付きが極めて悪いことも原因となっているのだろう。夜間の頻尿も熟睡を妨げ起きられない原因になっているのだろう。さらには朝方は大概夢をみて、またからだに力が入っているようだ。ここで目が覚めても疲労困憊、ぐったりしていて起きあがることができない。そうこうしているうちにまた寝てしまう。

 寝付きの悪さと夜間頻尿は仕方がないとしても、三つ目の朝方の力みの原因がわからない。以前はそんなことはなかったように思う。あるいは、以前はそういう時間帯になる前に目覚まし時計に無理やり起こされてしまっていたのかもしれない。

 こんな状態はいつまで続くのだろうか。もしかしたら一生もの? 疲れるなあ。横になっている時間はかなり長いのにゆっくりと寝ていない。損した気分だ。

 いっそのこと、目覚まし時計で力む前に起きてしまおうか。そうするほうがすっきりするかもしれない。世間の老人並の早起きとなるだろう。世間体もよろし。また、昼間眠くなったら大好きな昼寝をすればよいではないか。でもなあ、いまさら目覚まし時計をセットする気にはならない。