白露

 九月七日からは二十四節季の白露です。大気が冷えてきて露を結ぶころのことです。ようやく残暑が引いていき、本格的に秋が訪れてきます。

 七十二侯白露初侯は、草露白し。草に降りた露が白く光って見えるころです。朝夕の涼しさが、くっきりと際立ってきます。

 暦日の九月九日は重陽節句です。菊の節句ということで、旧暦のほうがしっくりきます。ちなみに旧暦九月九日は新暦ではぴったりひと月遅れ、十月九日になります。菊はやっぱりそのころでしょうね。

 秋の七草が見られるのもこの頃です。ちなみに秋の七草とは、萩、すすき、葛、なでしこ、おみなえし、藤袴、桔梗です。

 七十二侯白露次候は、鶺鴒(せきれい)鳴く。セキレイが鳴きはじめるころです。といっても、セキレイがどんな声で鳴くのか存じあげないのですが……。チチィ、チチィと鳴くそうです。

 七十二侯白露末候は、玄鳥(つばめ)去る。ツバメが南に帰るころです。そういえば、近ごろ小さめのツバメをよく見かけますが、ことし生まれたツバメでしょうか。長距離飛行に備えて、目下鋭意練習中、なのでしょうか。

 九月二十日は空の日だそうです。1911年、国産の飛行機が東京上空一周飛行に成功したそうです。1911年は多分新暦でしょうから、空の日はそのまま九月二十日でよさそうですね。


  出典 白井明大・有賀一広『日本の七十二侯を楽しむ』東邦出版