夏至

 六月二十一日からは二十四節季の夏至です。一年でもっとも日が長く、夜が短いころです。植物も昼夜の長さを測ることができ、夏至を知ることができるそうです。

 七十二侯の夏至初侯は、乃東(なつかれくさ)枯(かれ)る。夏枯草(かごそう)とも呼ばれるうつぼぐさの花穂(かすい)が黒ずんで、枯れたように見えるころです。おっと〝うつぼぐさ〟がわかりません。調べなくっちゃ。ちなみに、うつぼぐさの花穂は生薬として、昔から洋の東西を問わず役立ってきたそうです。これも知りませんでした。あなどり難し、うつぼぐさ。

 七十二侯の夏至次候は、菖蒲(あやめ)華(はな)さく。あやめが花を咲かせるころです。あやめ、かきつばた、はなしょうぶ。どれがどれやら……。これも調べなくっちゃ。

 あおあおとした木々の葉に降りたまった雨が、パタパタと落ちてくることを青時雨(あおしぐれ)というそうです。

 六月と十二月には、罪や穢れを落とす祓(はら)えの行事があり、六月の大祓えを名越しの祓、十二月を年越しの祓えと呼んでいます。名越しの祓えと言えば茅の輪(ちのわ)くぐりがおこなわれます。

 七十二侯の夏至末候は、半夏生(はんげしょう)ず。半夏(からすびしゃく)が生えはじめるころです。からすびしゃくとは半夏生(はんげしょう)のことでしょうか。これまた調べなくっちゃ。

 夏至から数えて十一日目が半夏生(はんげしょう)。この場合は、植物の名ではなく、季節の名前です。田植えを終えた農家が、休息を取る日です。

 暦日の七月一日から一ヶ月、京都八坂神社の祭礼〝祇園祭〟が行われます。

  (出典)白井明大『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)