暇を潰す
〝暇をつぶす〟とか〝暇つぶし〟という言葉に大いに異議あり。
〝暇〟というのがいけないものであり、これを無くす(消滅する)ことに意義があるような言いかたになっている。〝暇〟というのがなにものも生み出さない無駄な時間のように思われている。
そんなことは決してない。〝暇〟とは極めて良きものである。良きものであるから大切にしなければならない。暇というのは何事にも拘束されずに自由に使うことのできる時間である。なにも生まないということにより、束縛がなくなり好き勝手に過ごせる時間となる。
暇というのは、状況によって降って湧くこともあれば、相当苦労して手に入れることもある。どちらにせよ大切なものである。
だから、折角手に入れた暇を〝つぶす〟なんてことをしては罰が当たる。だからといって、暇に手をつけないまま、大切に保管していてはいけない。有効に使ってこそ生きるものである。
暇は有効に使わなければならない。といっても何か成果を求めたりするものではない。面白楽しくすうーっと過ぎていくのがよい。そしてあとには何も残らない。そんな暇の過ごしかたが理想だろう。
ということで、暇とは悪いものではなく、また、決してつぶしてはならないものである。大いに重用し、大いに活用すべし。