立冬

 十一月八日からは、いよいよ、というか、とうとう、というか、二十四節季の立冬です。冬の気配が山にも里にも感じられてくるころです。木々の葉が落ち、冷たい風が吹き、冬枯れのようすが目立ってきます。

 七十二侯の立冬初侯は、山茶(つばき)始めて開く。山茶と書いて、つばきと読ませ、その実態は山茶花、といささかややこしいが、それはさておき。山茶花の花が咲き始めます。

 立冬次候は、地始めて凍る。霜が降り、氷が張り、季節は冬を迎えます。春に山から下りてきた田の神さまが、山へ帰ります。農作への感謝を込めて、十六個の団子をお供えしてお見送りします。これが十六団子の日です。

 立冬末候は、金盞(きんせん)香ばし。水仙の花が咲き、かぐわしい香りが漂うころです。出雲では旧暦十月は神在月と呼ばれます。旧暦十月十日から十七日まで、神さまが出雲に集まり話し合いをします。新暦では十一月二十一日から二十八日にあたります。