処暑

 八月二十三日からは処暑。暑さが少しやわらぐころです。朝の風や夜の虫の声に秋の気配が漂いはじめます。

 まだまだ暑い日が続いていますが、それでも確実に季節はめぐり、夏が終わり、そして秋がやってきます。気がついたらミンミンゼミにツクツクホウシの声が混じっています。

 季節の変わり目は、新しい季節のはじまりで季節の変わり目を意識するのがふつうですが、夏だけは、秋がはじまる前に、秋とは違う〝夏の終わり〟があるような気がします。去りゆく季節を惜しむのは夏だけではないでしょうか。たとえば冬は、冬の終わりではなく訪れた春を感じるでしょう。どことなく、しみじみとした、思うところ感ずるところのある含蓄深い時期です。