足の爪

 近ごろ足の爪を切るのが大仕事になってきた。

 爪がかたくなったり、逆にもろくなって切りづらくなったのではない。

 足先に手が届きにくくなってきたのだ。からだの前傾が足らなくて、足に手が届かない。もともと極端にからだがかたかったのだが、これまではぎりぎり届いていた。多分、ほんのちょっとの差だと思うのだが、もともとがぎりぎりだったので、ほんのちょっと堅さが増しただけで届かなくなってしまった。

 それでは爪を切ることができないので、足のほうをあげることにした。椅子にすわり、切るほうの足を座面に乗せれば、なんとか切ることができる。ここ何年かはそうやって凌いできた。

 ところが、ここへ来て、それも辛くなってきた。引き上げた足がつりそうになるのだ。ぴくぴくっときてあわてて足を下ろす。下ろした足を伸び縮みさせて筋肉をゆるめる。落ち着いたら、再度足をもちあげて素早く爪を切る。

 いまはそんな状態だ。もう少ししたら、足を持ち上げただけでつってしまいそうな予感がする。そうなったら爪を切ることができなくなってしまう。

 なにか良い方法はないものだろうか。高枝斬りのような爪切りはないだろうか。