シャッター

 カメラのシャッター。あれはなぜシャッターというのだろうか?

 カメラの仕組みを超簡単に言えば、レンズがあって、そこを通った光がフィルムを感光(記録)させる、デジタルの場合は、CCDに記録させる、ということになる。

 でも、それだけではだめ。これでは、絶えずフィルムやCCDに光が当たっていて、記録をとどめることができない。

 そこで登場するのがシャッター。シャッターはレンズとフィルム/CCDの間にあって、常時は閉まっている。なので光はフィルム/CCDには届かない。必要なときだけ、つまりシャッターボタンを押したときだけ、開いて光を通し、すぐに閉まる。そうすることによって、シャッターが開いていたとき(わずかな瞬間)の状態をフィルム/CCDに記録することができる。

 ということのなのだが、上記を読み返すと、ちょっと変ですね。なにがって、シャッターが。つまり、シャッターは常時は閉まっていて、必要なときだけ開くもの。ということは、シャッターの重要な仕事は開くことにある。

 それなのにどうしてシャッターというのだろうか? オープナーというほうが適切ではないだろうか。

 さて、ここで一考。ふむふむ。そうか。やはり、シャッターで正しいような気がしてきた。それはこういう理由である。

 シャッターの機能はやはり閉まることにある。通常は閉まっているが、あけるのは人間である。シャッターボタンを押すことによって、シャッターが開く。これは使用者の意志であり、行為である。

 開いたシャッターは一定時間たつと自動的にしまる。この閉まる時間をシャッター速度という。やや微妙な命名であるが、たとえば六十分の一秒とか千分の一秒経つと、自動的に閉まる。かなりの短時間。それを細かく調節可能にするのは精密工業のなせるわざである。

 このようにシャッターの使命は、人間が無理矢理開いたものを、所定の時間後に閉めることにある。やはり、オープナーではなく、シャッターである。お騒がせしました。

 いささか理屈っぽかったかな(笑)