大暑

 大暑(たいしょ)。見るからに暑そうな名前ですね。一年でもっとも暑い季節です。二十四節気小暑の次はお約束の大暑なり。

 七十二候大暑初侯は、桐始めて花を結ぶころです。隅田川の花火大会があります。江戸の風物花火はここへきてますます人気が上がっているようです。うに、きゅうり、桐の花、そうめんが旬ですね。

 暑い夏の昼日中、職人や大工が短い睡眠をとることを三尺寝というそうです。仕事場の三尺ほどの狭いスペースでごろりと横になることからきているとか。そうまでして、休息を取らないとバテてしまうほど暑いということでしょう。馬鹿正直にあくせく働くばかりが能ではありませんね。いまの時代、見習ったほうがよいかも……。

 次候は土潤いて溽(む)し暑し。やっぱり、暑いようです。足下から熱気がまとわりついてきます。八朔、穴子、枝豆が食べ頃。蛍狩りの季節でもあります。ねぶた/ねぷたもこの頃ですね。

 末候は大雨時行る、「たいう、ときどきふる」と読むそうです。暑い上に豪雨ですか。湿気がすごそうです。そして、蝉時雨です。暑苦しいと感じるか、さわやかに思うかはその時々の体調やら精神状態によって異なりますね。太刀魚、すいかが旬。秋田では竿燈(かんとう)祭り。

  出典 白井明大・在賀一広『日本の七十二候を楽しむ』(東邦出版)