プチ熱射病

 真夏の昼日中、街あるきを敢行、というか断行、というか愚行。

 35度を越える猛暑のなか、六時間強、三万歩というかなり過激な散歩をしてしまった。水分補給には十分気をつけたつもり。ちゃんと帽子も被っていた。途中、なんどかトイレで顔を洗い、頭を濡らし、首筋を冷やした。そんなことまでして……というのはさておいて。

 にもかかわらず、歩いていて不調を感じた。なんとなく頭が重くなってくる。足取りも重くなってくる。長い階段をのぼっていると、ふとももがつりそうになる。ぴくっとくるのであわてて休む。

 なんとか家に帰り着き、入浴のあと、ビールを飲んで夕食。ふとした動作から、右足首のまわりが強烈につりそうになる。こんなところがつりそうになるのははじめてだ。なんとかだまして治まると、眠くなってきたのでソファに横になる。しばらくウトウトしたあと……、、

 足が勝手に動き出し、激しく床にたたきつけている。いや、ほんとうは、ちょっと意識を失っていたようで、家人に大声で呼ばれるまで気がつかなかった。痛いのを我慢して、なんとか足の動きを止める(手で押さえ込む)。

 多分、熱中症による痙攣だろう。初めての経験だ。暑さが厳しいというよりも、体力の衰え、老齢化が主たる原因であろう。これからあまり無茶もできないなあ。

 そうそう、水分補給は十分と言ったが、飲んでいたのは冷たい水だけ。塩分補給はしていないし、体液との濃度差も考慮していない。これも良くなかったのだろうな。さらに、熱中症、脱水症にビールはだめだわな。

 痙攣するところまでいったのか、寸前で治まったのかは定かではないが(意識がなかったようなので――むしろこちらのほうが問題かも)、その後二三日、結構な筋肉痛が続いた。

 あたりまえだけど、もう若くはない。そこそこわきまえないと、死んじゃうよ!