小満

 五月下旬からは二十四節気小満に入ります。

 小満とは(わたしには)馴染みのない言葉です。ちなみに「しょうまん」と読みます。いのちが満ち満ちていくころだそうです。

 七十二候の小満初侯は、蚕(かいこ)が起きて桑の葉を食べて育つころ。旬のさかなはきす、旬の野菜はそらまめ、旬の虫はてんとうむし。そして、浅草では三社祭です。

 次候は紅花が一面に咲くころ。クルマエビ、しそが旬で潮干狩りの季節です。

 末候は麦の秋。麦の収穫時期です。べら、びわが旬で、四十雀を見かけるようになります。

 草木も花々も、鳥も虫も獣も人も、陽を浴びて輝く季節です。生命がみなぎる季節です。


 出典 白井明大・有賀一広『日本の七十二候を楽しむ』(東方出版/2012)