新年

 あけましておめでとうございます。

 一年ごとに、「冥土の旅への一里塚」の感がますます強くなってくる年明けである。人生の残り時間がまた減ってしまった。このままでは、かなりのやり残しが出ることは確実。哀しいというより、悔しい気持ちでいっぱいだ。

 まあ、やり残したことを悔しがるにも命が必要で、実際には悔しがるには「とき既に遅し」ということになってしまうだろうけれど。それはさておき、

 やりたいことがあれば、先延ばしせずにすぐに取りかかるべきである。ということはわかっているのだが、なかなかそうはいかない。好ましいことを始めるには、その前に嫌なことを済ましてしまわなければならず、また、いざとりかかるには、それなりの好ましい気分に身を置くことが必要となってくる。いや、必要ではないけれど、そうしないともったいない気分になってくる。なんともまあ、厄介な性癖である。で、そんなこんなでダラダラしているうちにまた一年が経って、残り時間がますます減ってくる。

 そうなると、こんどはきっかけがつかめないだけではなく、見通したときに、終わりが見えなくなってしまう。残り時間ではとうてい完了しないことがわかってしまう。そうなるとますます手が着かなくなってくる。なんともまあの悪循環である。