衆議院解散(2)
野田政権は滅茶苦茶。まずは消費税増税。これはマニフェストとは正反対の政策である。まさになにをか言わんや。
そして大飯原発の再開。さすがにこれはマニフェストの対象外ではあるが、その基本理念とは異なるものであろう。
民主党っていったいなんなのだろう? 党の存在意義を疑わせることばかりである。
確かにわたしは民主党の性格を誤解していた。保守自民党の対抗勢力だから、リベラルな革新政党だと勝手に誤解していたこともある。しかし、先の衆院総選挙前や鳩山政権のころはそんな臭いもあった。
しかし、野田政権はまったくその逆である。政権を握っていた頃の自民党ですら(世評を気にして)できなかった増税などの政策を実現している。
そのことによって民主党が評判を落とし、こんどの総選挙で自民党が返り咲くようなことがあれば、これは自民党にとって願ったり叶ったり、濡れ手に粟の状態であろう。政権を取り戻すだけでなく、政策もずいぶんとやりやすくなるだろう。
自民党にとってこんなにありがたいことはない。やりたくて仕方がないのだが、世評を気にしてできなかったことを変わりにやってくれ、しかも、それをやったがために評判を落とし、政権が自民党に帰ってくるかも知れないのだから。こんな、一石二鳥のことはない。
そう思うと、野田政権というものはトロイの木馬なのかもしれない。自民党、あるいは官僚や政財界が野党内にはなった工作員なのかも知れない。自民党の汚い部分を、自民党になりかわって行い、返り血は自らが浴びる、そんな政権だったのかも知れない。
最初からそういう役割と知り、ひたすら実践に努めてきたのだろうか。あるいは、とにかく総理という権威に少しでも長く留まりたくて、官僚に言われるがまま実施してきたのだろうか。
総選挙の結果がどうなるかわからないが、自民、民主のどちらが政権をとろうとも、将来の明るさは見えてこない。なんとかならんのか!
もっとも堂々と公約とは正反対な政策を打ち立てる野田政権である。再び政権の座につくようなことがあれば、TPP、増税、原発再稼働など、ひょっとしたら全部取りやめになるかもしれない(笑)。まあ、そこまで深読みするのは危険だろうが。