いまだ邪念多し

 還暦を過ぎると人間なにかと枯れてきた。もっとも枯れたのが外見。次が体力。そして集中力、記憶力、その他いろいろ。

 そうやって人間、落ち着いてくるのだろう。それを歳相応というのかもしれない。

 が、衰えないものもある。それが邪念。欲ではなく、淫らな気持ちのほうである。これがなければ、人生すっきり、さっぱり。残り少ない貴重な時間を意義あることに集中することもできよう。

 ところがそうはいかない。邪念が邪魔をする。貴重な時間を邪悪なことに消費してしまう。

 困ったものだ。本当に困りものなのだが、でもこれが人間の人間たる所以なのかもしれない。理想とは違う方向に入りこむことができるのも、人間だからこそ、なのかもしれない。

 まあ、これは言い訳だろうね。そして、貴重な時間を浪費(多分浪費でしょう)してしまうのは、もったいない。

 でもねえ……。