膏薬の剥がしかた

 〝口約の剥がしかた〟ではありませぬ。膏薬すなわち湿布薬の剥がしかたです。

 膏薬を貼るのは良いけれど、剥がすときにはずいぶんと痛い思いをする。

 ゆっくりそろそろ剥がしたほうが痛くない、いやいや、目をつぶって一気に剥がせば痛みは瞬間ですむ、とか。からだの先から剥がすほうが痛くない、いや毛の向きに準じるほうがよい、とか。まあ、思いつきでいろいろやってみました。しかし、どれもいまいち。

 ところが、ついにわかりました! 痛くない剥がしかたを見つけました!!

 わかってみれば単純なことなのです。剥がすときに痛いのは皮膚が引っ張られるから。剥がしながら見ていると、皮膚は元の位置からはるか高いところまで引っ張られている。これ以上伸びないというところまで伸びたところで、ようやく剥がれていく。剥がれて痛いのではなく、引っ張られて痛いのだ。

 であれば、皮膚を引っ張らないように剥がせばよい。なにも難しいことではない。それは……。膏薬の下に手を入れ、皮膚が持ち上がらないように押さえながら、膏薬を剥がしていけばよい。この方法に気がついてから、あと(剥がすとき)の苦しみを考えることなく、気軽に湿布薬を貼ることができるようになりました。

 わたしにとっては、長い人生における、画期的な出来事でした。でも、これってもしかしたら〝常識〟???