貼るカイロ

 この冬、通称をなんというのか知らないが、商品名で言えば〝ホカロン〟とか〝ホッカイロ〟といった、捨てカイロなるものの恩恵をこうむった。

 首のこりがひどくなって、最初はインドメタシンの湿布薬を貼ってみたのだが、それよりもカイロを貼ったほうが気持ち良いことがわかり、ずっと使い続けた。小さいほうのタイプをシャツの襟ぐりのすぐ下に貼っていた。低温やけどの心配もしたがこれは杞憂だった。

 夜、入浴後に貼ると、すぐにポカポカしてくる。首がいくぶん軽くなったような気がする。もっとも気がするだけなのかもしれないが、気がするだけでも気が楽になる。

 十時間持続の安い製品を貼っていたのだが、十時間以上経っても暖かいような気がする。時間が来たので剥がそうとするとまだ暖かい(ように思われる)。なんどかそんなこんなで、結局一日二十四時間一枚を貼り続けていた。

 首筋を温めるのは寒さ対策としても効果があるようで、実をいうと、この冬、本当に寒さを感じたことはなかった。暖まるというよりも、からだのなかからポカポカしてくるような感じ(錯覚)がする。

 不思議な体験もした。それは、貼っていないときも首筋からポカポカするような暖かさを感じること。これはなんなのだろう。大いなる錯覚なのだろうか。あるいは暖かさという感覚は熱源がなくなっても持続するものなのだろうか。先に書いた二十四時間持続というのはこの感覚なのかもしれない。

 寒さ対策としてはそろそろ要らなくなってくるが、首のこり対策としてはこの先どうしたらよいのだろうか。