ブルージー

 ブルースを聴きながら、こんなことを考えた。

 ブルースっぽい生きかたもかっこいいな、と。あこがれもする。

 だが、待てよ。本当にそんな生活できるのか。わが、生身をそんなぎりぎりなところに置けるのか。たぶん、無理だろう。

 同じようなことだが、江戸がよい、昭和がよい、といってもその頃には決して戻りたくはない。想像し、あこがれるだけで十分である。いや、現在の生活を見直すこともある。簡素な生活をとりいれることもできる。だけど、基盤は現在、生活するのはあくまでも現在である。冬寒く夏暑い生活、結核が死の病であった医療、その他もろもろ。そんな時代には戻りたくない。

 ブルージーな生活も、想像し、外から見るだけで十分だ。かっこいいかもしれないが、決して快適ではない。かっこ悪くとも楽なほうがよい。