お参りの願い事

 以前は神社・仏閣へ寄っても手を合わせることはあまりなかった。歳のせいか、近ごろは足を止め、お参りするようになった。神社では二礼二拍手一礼、お寺ではしばし合掌。ただし、お賽銭を入れることはまだまれではあるが。

 お参りの際にはなにか願い事をするようなのだが、さしあたり、具体的にお願いすることも見あたらない。

 なので、「あんじょう、たのんまっさ(なんか知らんが、よろしゅうお願いします)」と曖昧なお願いをしている。

 いや、実態は少し違うようだ。お願いではなく、感謝することのほうが多いみたい。「とりあえず、なにごともなく、無事こられたことを感謝いたします。ありがとさん」といった感じ。

 考えてみれば、これで良いのだろうね。毎度毎度お願いでは、お願いの値打ちがなくなってしまう。それよりも、これまでのお礼を述べる。

 お願いするのは、具体的なことが煮詰まったとき。にっちもさっちもいかなくなったとき。苦しいときの神頼みに限るような気もしている。