峠は越していなかった

 先週、夏をなめたようなことを書いてしまったが、それに気を悪くしたのだろうか、残暑が衰えることはなかった。

 負け惜しみではないが、陽射しは確実に和らいでいる。

 だが、気温は一向に下がらない。むしろ熱気がどんどんたまってきているような感じがする。積もった熱気はなかなか霧散しそうにもない。

 そして蝉。まだまだ、ミンミンゼミの天下である。ツクツクホウシの出番はまだまだ先のようだ。

 でもまあ、長いか短いかの違いはあっても、そのうち間違いなく空秋になり、そして、苦手な冬になる。そしてわが寿命もまた縮まっていく。ああ、無情。