百年前だったら

 江戸や昭和の良さを掘り出したりもしているのだが、だからといってあの時代で生活したいとは思わない。問題はあるものの現在の利便性を知ってしまった以上不便な過去には戻れない。

 なによりも、もし百年前であったなら、わたしの寿命はとうに尽きていた。還暦を過ぎて、まだウダウダと嘆いたり迷ったりすることはあり得ない。とうに墓の下に入っているのだから。

 長生きすることの問題も多々あるものの、だからといって、わざわざ寿命を縮めようとは思わない。身勝手といえばそうなのだろうが……。