時の過ぎゆくままに

 週が明ければ夏至。季節の折り返しである。

 あと、十日もすれば六月が終わり。一年の半分が過ぎたことになる。

 早いものだ。初日の出を見に行ったのがついこの間のように思えるのだが。

 好ましくない日々がさっさと過ぎ去っていくのはありがたい。が、この歳になるとそうはいっていられない。時が過ぎた分だけ、わが人生の残り時間も少なくなっているのだ。しかも、残り時間は多くはない。まさに貴重な時間である。

 その時間が好ましく無い時間だからと言ってさっさと過ぎゆくことを喜んでいて良いのだろうか。そんなことをしていたら、嫌なことが終わった途端に我が人生も尽きてしまいかねない。うまいもん残しで、ようやく嫌いなのものを消化終えて、さあこれからうまいものを、と思った途端に終わってしまうようなものだ。

 そう考えれば、時が早く過ぎていくことを喜んでいるわけにはいかない。

 眼前のときを嫌の時間ではなく、愉しい時間に変えていくことができればそれが最良なのだが、なかなかそうもいかない。さて、どうしようか。