余命仕分け

 現政権の事業仕分けは世の中を賑わしているが、わたしはこれからの余命仕分けについて考えている。

 残念ながらわが人生、残り時間には限りがある。やりたいことをすべてやり遂げる時間はなさそうだ。また、いまからはじめてもものにはならないこともある。

 あれをやって、これはあきらめて、と仕分けする必要があるようだ。

 だが、待てよ。そんな仕分けをやったら、我が人生、先が完全に見えてしまって、味気ないものになりはしないだろうか。

 さらに、悪いのは、やるほうになったことをひとつひとつ消化していくことが、残り人生の目標になってしまいかねない。リストアップしたことをすべてやり終えて、そこで命尽きるのがもっとも良いことになってしまう。これもまた味気ない人生だ。

 ということは、行き当たりばったりのその日暮らしのほうが、豊かで愉しい人生を過ごせるのだろうか。うーん、わからなくなってきました。