2009年

 2009年は暗鬱たる気持ちで明けた。正月そうそうため息ばかりついていた。姑息な手段、つまり考えかたを変えることによってなんとか凌ぐことができた。ということは解決にはいたっておらず、いまもなお状況は変わっていない。これを忘れてはいけないのだが……。でもまあ、それはそれ。のど元過ぎればなんとやら、である。

 2009年は還暦の歳、本厄の歳でもある。前厄の2008年には入院・手術を経験したり、煙草を取り上げられてしまったり、年の瀬押し迫ってから未曾有の閉塞状態に陥ってしまったりとさんざんな年であった。前厄より悪いといわれる本厄が果たしてどうなるのか不安だったが、終わってみれば、もちろん良くはなかったが、年初の落ち込み以外はそうひどくもなかった。まあ、年初の落ち込みにしても前年からの継続で、2009年に始まったことではない。そうしてみるとまずまずの年だったと言えるかもしれない。

 深川不動の厄払いが効いたのだろうか。わからないけれど、そう思うことにしよう。だって、そのほうが断然楽しいから。信じたり、裏切られたりで一喜一憂を繰り返す。江戸時代はそんなものだったのだろう。本人の努力の結果などではありやしない。偶然の結果でもない。であれば、ここはひとつ、お不動様のご加護で、ということで収めておこう。

 ところで、大過なく一年が過ぎたのはそれはそれでありがたいことなのだが、裏を返せば何も成さずに一年が過ぎてしまったとも言える。人生の残り少ないこの歳になってそれはもったいないことである。とはいっても実際のところは、火元をやり過ごすだけで精一杯、それ以上を望むのは酷というものかもしれない。この歳になって欲をこくのも見苦しい。とまあ、むずかしい年ごろである(笑)。