ぼおーっとする時間

 どういうわけか最近、物思いにふけることが全くなくなっている。いろんなことをあーでもない、こーでもないとうだうだとゆっくり考えてみたいのだが、なかかなそんな時間を取ることができない。どうしてなのだろう。

 以前、仕事でもっともっと時間を取られていたときですら、ぼんやりと過ごす時間を取ることはできていた。いまのほうが自由になる時間は多いはずなのにそうはならない。なぜなのだろう。

 時間の有無から考えてもいっこうにこたえはでてこない。ならば、観点を変えてみよう。そう、もしかしたら、ぼんやりすることの必然性の度合いが違うのかもしれない。時間があるとか無いとかではなく、昔のほうが、あれこれ考える必要があったのかもしれない。時間が無いなどと言ってはいられない、せっぱ詰まった状況だったのかも知れない。無理矢理時間を捻出してぼんやりする必要があったのかも知れない。

 それほど差し迫った事情のない今というのはどんなものなのだろう。昔よりマシにまったということだろうか。どう考えてもそんな風には思えないのだが……。状況が差し迫っているという感覚すら薄れてしまったのだろうか。なんとかしなくちゃ、と思う気力すら薄れてしまったのだろうか。よくわからない。