不良サラリーマンのつけが……

 現役のサラリーマンだったころ、仕事というのは生活資金を手に入れるための必要悪とみなしていた。生活資金が得られればまずは良しとかんがえていた。なので出世とは縁遠い行動を取りがちだった。当然収入は少ない。

 まあ、収入は少なくとも食っていければそれで良しとし、こんにちまでなんとか食いつないできた。

 ところがここへ来て、大誤算が発覚。サラリーマン時代の収入がそのまま年金の額に反映するのだ。このことはまったく気にしていなかった。

 サラリーマンとしては落ちこぼれだったが、隠居には大いに期するものもあり、これからはわたしの時代などとウキウキしてみたりもしたのだが。

 落ちこぼれサラリーマンは、年金生活でも落ちこぼれてしまう。残りの生存期間の資金が心配で隠居生活を謳歌できない。非常勤の打ち切り時期も決めがたい。

 いっぽう、エリートサラリーマンたちは、年金もたっぷり、退職金もたっぷり、貯金もたっぷりで、何の心配もなく隠居生活を堪能している。くっそー。どこで狂ってしまったのだ。というか、最初から思慮が足らなかっただけなのだが。

 でもまあ、いまさら言っても仕方のないこと、取り返しのつかないことではあるけれど。