目覚まし時計
仕事に行く日の朝は目覚まし時計に起こされる。
いま使っているのは、電気スタンドと一緒になった目覚まし時計。セットした時間の三十分前になるとうすらぼんやりと明かりが灯る。徐々に明るくなる。セットした時間に最大の明るさとなり電子音が鳴る。
普通の目覚まし時計は時間になると突然、不意打ち的にベルが鳴る。これに対して、いま使っているやつは人工的な「日の出」状態を作り出し、徐々に目覚めへ導いてくれる。理論的には。
確かにそういう目覚めもある。なかなか心地よい。が、そうはいかない場合も少なくない。
徐々に明るくなったことにはまったく気づかず、突然いきなりの音響で目が覚めることがある。せっかくの機能が活かされていない。
逆の場合もある。最初のうすらぼんやりの段階で目が覚めてしまう。好意の機能があだとなる。三十分損した気分。
きょうの目覚めはどうだった。そんなことを楽しめるのもあと少し。仕事を辞め、隠居生活が始まれば目覚まし時計そのものが要らなくなってしまうのだから。
♪♪♪♪ 隠居開始まであと 138 日 ♪♪♪♪