春分初侯

 三月二十一日からは二十節季の春分、太陽が真東から昇り、真西に沈む日です。昼と夜が同じ長さになります。

  春分の日を中日に前後三日を含めた七日間が、春のお彼岸です。先祖の霊を供養する仏事が行われる日です。

 七十二侯の春分初侯は、雀始めて巣くう。雀が枯れ草を集め、巣を作りはじめるころです。

 夜が明けようとしているが、まあ暗い時分のことを「春暁(しゅんぎょう)」といいます。万葉に時代には「あかとき」といい、平安以降「あかつき」に変わったとか。また、あかつきより→→時間的に遅れ、夜がほのぼのと明けようとするころを「曙(あけぼの)」といいます。

 旧暦二月八日(新暦では今年は三月二十四日)は「事始め」の日です。一年の祭事や農事をはじめる日で、旧暦十二月八日の事納めと対をなします。


  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)