立春末候

 二月十四日からは七十二侯の、魚氷に上る(うおこおりにあがる)。暖かくなって湖の氷が割れ、魚が跳ね上がるころです。

 しかしながら「春寒(はるさむ)」という言葉もあります。立春になり暦の上では春ですが、二月はまだ寒い季節です。その寒さをあえて春寒、または余寒(よかん)と呼び、もう春だからこれは冬の名残なのだと、暖かな春の到来を心待ちにします。

 二月十四日はバレンタインデーだけではありませんよ。


  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)