芒種

　六月五日からは二十四節季の芒種（ぼうしゅ）です。稲や麦など穂の出る植物の種を蒔くころです。稲の穂先にある針のような突起を〝芒（のぎ）〟といいます。

　七十二侯の芒種初侯は、蟷螂（かまきり）生ず。カマキリが生まれるころです。

　暦日になりますが、六歳の六月六日に稽古をはじめると上達するといわれています。単に数字合わせなので新暦も構わないでしょう。

　七十二侯の芒種次候は、腐草蛍と為る。蛍が明かりをともし、飛び交うころです。昔のひとは、腐った草が蛍に生まれ変わると信じていたそうです。

　各地の田植えの祭りもこのころ行われます。季節の挨拶が暑中見舞いとなるころです。

　七十二侯の芒種末候は、梅子（うめのみ）黄なり。梅の実が熟して色づくころです。

　そろそろ入梅でしょうか。暦日では父の日（六月第三日曜）もありますね。

　　出典　白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』（東邦出版）