冬至

 十二月二十一からは二十四節季の冬至です。一年でもっとも昼が短く、夜が長いころです。

 これから日が伸びていくので、古代には冬至が一年のはじまりでした。その後は立春が一年のはじまりとなり、新暦太陽暦になってからは冬至の少しあと、季節的にはさして言うことのないときが一年のはじまりとなりました。

 七十二侯の冬至初侯は、乃東(なつかれくさ)生ず。うつぼぐさの眼が出てくるころです。なのですが不勉強なるわたくしめ、うつぼぐさを存じあげません。

 烈しく吹く風のことを風巻(しまき)といいます。雪を伴えば雪風巻。

 冬至次候は、麋(しか)角解(お)つる。大鹿の角が抜け落ちて、生え変わるころです。十二月三十日は小晦日(こつごもり)、三十一日は大晦日(おおつごもり)といいます。つごもりとは月が隠れる、月籠(つきご)もりのことです。太陰暦では毎月月末は新月のころで、つごもりにあたります。

 冬至末候は、雪下(せっか)麦を出(い)だす。降り積もる雪の下で、麦が芽を出すころです。

 二十四節季、七十二侯はともかく、新暦では冬至の後すぐに正月です。
 
 初日の出の直前の茜空を初茜(はつあかね)といいます。


  出典 白井明大=文・有賀一広=絵『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)