小暑

 
 七月七日からは二十四節季の小暑です。梅雨が明けて本格的に夏になるころです。

 暑中見舞いを出す時期でもあります。小暑までに出すのは梅雨見舞い、小暑から立秋まが暑中見舞い、立秋以降は残暑見舞いとなるそうです。こまかいことと思うかもしれませんが、こういうしきたりを大事にし、それに従うのも上手に季節を楽しむことにつながるのではないでしょうか。

 七十二侯の小暑初侯は、温風至る。夏の風が熱風を運んでくるころです。〝温風〟というと優しそうな響きをしていますが実際はそんな生やさしいものではありませんね。

 暦日の七月七日は七夕ですね。暦日を新暦で行うか、旧暦のまま行うか。因みにことしの旧暦七月七日は八月九日になります。もっとも、日はそのままにして月を一ヶ月ずらして旧暦を新暦に移行する方法が多く見られますが、これによれば八月七日になります。

 また七月九日、十日は浅草寺ほうずき市です。十日は功徳日となり、この日にお参りすれば四万六千日お参りしたのと同じ功徳を得られるそうです。四万六千日といえば、百二十年以上です。生まれた日から百二十年間、欠かさず毎日お参りするのと同等の功徳があるとか。ずいぶん大盤振る舞いですね。

 小暑次候は、蓮始めて開く。蓮の花が咲きはじめるころです。

 同じ暦日の新暦でお盆をする場合は十五日となり、十三日は迎え火となります。そして十六日は藪入りです。

 小暑末候は、鷹乃学を習う(たかわざをならう)。鷹のひなが、飛びかたを覚えるころです。

 三陸地方に吹く、夏の冷たく湿った北東の風を山背(やませ)と言います。冷害をもたらします。来ないことを願います。

 立秋前の十八日間が夏の土用となります。今年は十九日が土用の入りとなります。


  (出典)白井明大『日本の七十二侯を楽しむ』(東邦出版)