夏至

 六月二十二日は、二十四節季の夏至です。季節が巡るのは早いですね。一年の半分が過ぎたことになります。

 夏至とは、一年でもっとも日が長く、夜が短いころです。この日を過ぎると徐々に日は短くなっていきますが、暑さは日に日に増してきます。

 七十二侯の夏至初侯は、乃東枯る。「なつくさかる」と読みます。うつぼぐさのことです。うつぼぐさの花穂(かすい)が黒ずんで、枯れたように見えることです。……、と書きましたが、実感がわきません。そもそもうつぼぐさというのがどんな花なのか思いあたりません。漢方薬になるらしいですね。

 この季節に吹く、湿った南風を「流し」というそうです。初耳です。

 次候は、菖蒲華さく。あやめが花を咲かれるころです。こちらは実感が伴います。すでに咲き誇っていますね。

 あおあおとした木々の葉に降りたまった雨が、ぱたぱたと落ちてくることを青時雨というそうです。これも初耳ですが、いい言葉ですね。

 末候は、半夏生ず。半夏生が生えはじめるころです。わが家の近くでは、普段立ち入り禁止の半夏生群生地が開放されます。

 夏至から数えて十一日目が半夏生。田植えを済ませた農家が、休息を取る日だそうです。半夏生の日に降る雨が、半夏雨。田植えを終えた田んぼから天へ、田の神さまが昇っていくのが半夏雨になったとか。