エレベータとエスカレータ

 なんとなくではあるがエレベータはあまり好きではない。おそらくはあの狭い閉鎖空間に閉じ込められることが苦手なのだろう。それと、乗り合わせたひととの距離感。近すぎます。目はあってしまうのに気詰まりな沈黙。仕方なく階数の表示を見ている。気がついたら多くのひとがそれを見ている。どうも苦手だ。もうひとつ、待っているときの手持ちぶさた感。キョロキョロするわけにもいかず、本を読むほどの時間でもなく、このときも仕方なく階数表示を見ている。

 いっぽう、エスカレータは苦手ではない。なので、エスカレータがあればこれを乗り継いでいく。エレベータと違って、開放的である。各フロアのようすなど途中見るものもたくさんある。ほかのひととは高さが違うの目が合うこともない。

 なので、多少時間がかかっても、エレベータではなくエスカレータを使っている。