雨水

 二十四節季の雨水。降る雪が雨へと変わり、氷が溶け出すころです。農耕の準備をはじめる時期です。

 七十二侯の雨水初侯は、土脈(どみゃく)潤い起こる。早春の暖かい雨が降り注ぎ、大地がうるおいめざめるころです。

 「獺(かわうそ)魚を祭る」ころでもあります。〝獺祭〟ですね。春キャベツ、トビウオが旬です。お伊勢参りの季節でもありました。

 次候は、霞はじめてたなびく。春霞がたなびき、山野の情景に趣きが加わります。芥子菜や素魚(しろうお)が旬です。

 末候は、草木萌え動く。しだいにやわらぐ陽光の下、草木が芽吹きはじめます。みどりはこべ、菜の花、蛤が旬です。

  出典 白井明大・在賀一広『日本の七十二候を楽しむ』(東邦出版)