残りの人生は昔の話だけで!?

 還暦をとうに過ぎ、人生の残り時間もわずかになってきた。

 そうなると、これからの時間、昔の話だけで過ごしても良いのではないかと思うこともある。命果てるのが八十とすれば残すところ二十年。これまでの六十年を三分の一に濃縮して振り返ってみるのも良いかも知れない。あたらしいことには手をつけず、過去の反芻だけとする。

 こうするとこれからの二十年が無駄になってしまうような気もするが、振り返らなければ、これまでの六十年を無駄にしてしまうような気がしないでもない。

 とまあ、理屈っぽいことを言ったが、実際にはこのわたくし、まだまだ俗っ気が抜けず、死ぬまでにやりたいことがいっぱいある。といっても鉄砲玉のように行きっぱなしではなく、適度に過去を振り返りながら。まあ、その加減が難しそうだけど。

 どうするのが一番良いのか、だれにもわからない。やり直しがきかないのが人生の辛いところ。しかも猶予は少ない。